介護職は「3K」?本当の介護業界とは?

介護職は「3K」?本当の介護業界とは?

介護の「3K」って本当?

介護の仕事は、「3Kの仕事」といわれることがあります。

そのイメージから、介護業界に対して、ネガティブなイメージを持つ人もいて、就職・転職活動の際に避けている人もいるのではないでしょうか。

そもそも、3Kとは何か?

実は、この「3K」という言葉は1980年代末期から使われるようになり、1989年に流行語にノミネートされ、世間に広く認知されるようになりました。

そもそも「3K」とは、「きつい」「汚い」「危険」の頭文字をとっています。

介護業界の3Kとは

きつい

介護の仕事は、利用者様の身体介護を伴う仕事が多くあります。自分の体よりも大きな利用者様を介助したり、車いすに移乗させたりと、体力を使う場面が多くあります。その中で、腰を痛めたり、体力的にきつさを感じてしまうこともあります。

また、入所施設は夜勤もあるため、生活リズムが不安定になり、きつさを感じる人もいます。

こうした、肉体的なしんどさが「きつい」といわれる理由です。

汚い

介護の現場は、おむつ交換や排泄介助などが重要な仕事の一つです。

仕事上、仕方がないこととはいえ、他人の排せつ物や嘔吐物などを目にする機会が多く、心理的な抵抗感を感じてしまう人も多いです。

介護の仕事では避けては通れないことではあり、「慣れれば大丈夫」という人もいますが、人によっては、慣れることが難しくストレスに感じてしまうでしょう。

危険

抵抗力の低い高齢者が集団で生活する施設では、ノロウイルスやインフルエンザの集団感染が起きやすい環境です。

介護職自身が感染してしまうリスクもあるため、衛生上の観点から「危険」のイメージがあります。また、自分よりも大柄な利用者様の介護の際などに支えきれずにバランスを崩しけがをしてしまうことも起こりえます。そうした観点から「危険」といわれています。

さらに、この3つに加えて「給料が安い」ということから、「4K」といわれることもあります。

今の介護業界は?

そもそも、「3K」といわれ始めて、介護業界もそのイメージを持たれたのは、今から30年以上前になり、介護業界はそこからさまざまな変化があります。

介護職の処遇改善が進む

人手不足のため、「残業が多い」「有給休暇が取れない」といわれてきました。しかし、2019年に働き方改革が施行され、残業時間には上限が設けられ、有給休暇の消費も義務付けられています。これにより、介護施設でも人材確保へ力をいれ、人手を増やすことで働く職員の残業を減らし、休みを取りやすい環境づくりなどに取り組み、労働環境の改善が進んでいます。

また、介護人材を増やしていくための施策として、「特定処遇改善加算」を新設され、介護職の処遇改善が進んでいます。

介護スタッフの給料は年々上昇しており、介護福祉士の平均給与額は、平成31年から令和2年にかけて、18,390円増加し、年々増加傾向にあります。

これ以外にも介護職のキャリアアップ支援も増えており、介護職が介護現場で長く働ける職場環境づくりが進められています。

出典:厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02gaiyou.pdf

ICT化が進む

介護業界では、介護スタッフの負担を軽減するため、ICT化が進んでいます。

例えば、利用者様の情報管理できる介護事業専用の情報システムの導入が増えています。利用者様の状態だけではなく、ケア内容、職員の気づきなど、今まで紙で管理していたものをタブレット端末などで管理をするようになったことで、書類作成にかかっていた時間を削減することができ、職員の残業時間減少につながっています。

また、見守りシステムなどの導入も進んでおり、夜間などの人手が少ない時間帯に、夜間の見回りの回数を減らすことができるようになり、その分ほかの業務に手が付けられるようになり、職員の負担軽減につながっています。

徹底した衛生管理

排泄介助や入浴介助の際に、「簡易手袋の使用」が義務付けられている施設がほとんどです。

また、介護施設での集団感染を出さないための対策が多くの施設で実施されており、「アルコール消毒」が義務付けられるなど、感染症への対策もマニュアル化して徹底する施設が多く、衛生管理が高い業界といえるでしょう。

これから介護業界の「新3K」とは?

今の介護業界の取り組みを見ていただいた通り、介護業界では働き方改革や処遇改善などの国の施策やそれぞれの介護事業所の努力もあり、介護の職場環境は年々改善してきています。

そこで生まれているのが「新3K」です。

「きつい、きたない、危険」という悪いイメージとは真逆である「感謝、感動、感激」や「かっこいい、クリエイティブ、稼げる」などを表す言葉です。

新3Kは、これ以外にも様々な言葉で表現されていますが、何よりも介護の仕事は「やりがいを感じられる職業」であることが共通しています。

ご利用者様とのかかわりの中で「ありがとう」と感謝される機会が多いことで、人と人とのつながりを多く感じることができる仕事だからこそ、やりがいも多く感じることができる仕事です。

これから介護業界で働こうと思っている方へ

今回は、介護業界の「3K」についてご紹介しましたが、「3K」といわれ始めた頃から介護業界は大きく変化をしています。

これから就職活動をされる方は、正しい知識を持って就職活動を行うことが、自分自身がやりがいをもって働くことにつながります。

職場を知ろう

多くの介護事業所で就職ガイダンスなどが開催されています。

実際に働いている職員の方や人事担当者に会う機会があると思います。その際に、ぜひ、働く職場の雰囲気や、事業所が大事にしている想いを聞いてみましょう。

まずは、介護の職場を知ることが就職活動の第一歩です。ぜひ参加してみましょう。

介護の基本を知ろう

無資格でも働くことができる介護の仕事も多くあります。しかし、初めて働く環境では、飛び交う専門用語が飛び交ったり、利用者様への介助に戸惑う場面も出てくるかと思います。

初めて介護の仕事をする方にオススメの資格が「初任者研修」です。

介護の基本用語はもちろんのこと、介助をする際の体の使い方なども学ぶことができるため、腰痛などを防ぎながらご利用者様の介助を行うことができます。

初任者研修について詳しく知りたい方は、提携校の三幸福祉カレッジのホームページをご確認ください。

 

まとめ

介護業界は、「3K」のイメージを持つ方も少なくありませんが、実際は介護職員の処遇の改善やキャリアアップなどが進められています。

また、ICT化を進める事業所も増え、さらに働く環境も改善されています。

まずは、自分がどのような職場で働きたいのか、どんな思いをもって介護の仕事につきたいのか、就職ガイダンスなどを活用して、見つけてみましょう。